【無料テンプレ付き】“数字で赤字を防ぐ”民泊の収支管理完全ガイド──経営感覚が身につくテンプレート活用法
はじめに|「感覚でなんとなく黒字」は危険です
民泊を始めてみたものの…
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「売上はあるけど、実際どれくらい利益が出てるか分からない」
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「清掃費や広告費など細かい出費の把握ができていない」
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「気づいたら赤字だった」
──そんな経験、ありませんか?
民泊は固定費も変動費も多く、**“数字で管理できなければ、黒字でも危ういビジネス”**です。
そこで必要になるのが、収支管理の仕組み化とテンプレートの活用。
本記事では、民泊の収支管理に必要な視点・費用分類・月次レポートの作り方・テンプレート活用の方法まで、経営者目線で徹底解説します。
民泊運営における「収支管理」が必要な3つの理由
1|黒字経営の基準が見えるようになる
収入がある=黒字ではありません。
民泊は水道光熱費や清掃代、OTA手数料など“見えにくい支出”が多く、収入と利益の間に“錯覚”が生まれやすい構造です。
数字で把握して初めて、「何泊あれば黒字か?」が分かるようになります。
2|改善すべきコストや投資の判断ができる
例えば:
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広告費をかけたのに売上が変わらない → 効果なし=削減対象
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リネン業者を変更したら利益率アップ → 成功施策として継続
数字が見えれば、判断のブレがなくなります。
3|確定申告・補助金・融資時にも安心
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青色申告や開業届を出している方は帳簿提出が必須
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収支管理ができていれば、補助金申請や銀行融資にも有利
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「民泊は副業だから適当でいい」は通用しない時代です
民泊の収支管理|必ず押さえるべき「収入」「支出」の内訳
◆ 主な収入項目(例)
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宿泊売上(Airbnb/楽天トラベル/Booking.com/自社)
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クリーニング費用(ゲスト負担分)
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延泊・時間外料金
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有料アメニティ・貸出オプション
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体験プラン売上(オプション連携)
◆ 主な支出項目(固定費・変動費)
【固定費】
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家賃/ローン
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光熱費(平均化して月単位)
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Wi-Fi・通信費
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固定資産税・管理費
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保険料
【変動費】
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清掃委託費・リネン代
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OTA手数料(Airbnb手数料など)
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備品・消耗品(トイレットペーパー、洗剤など)
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広告・販促費(SNS広告、Google広告など)
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修繕費・設備メンテナンス費
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飲料・ウェルカムギフトなどのサービス品
スプレッドシートで作る!民泊収支管理テンプレートの構成
収支管理表は「入力しやすく・見やすく・分析しやすい」ことがポイント。
以下のようなシート構成が理想的です。
① 売上記録シート
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日付
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予約者名
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チェックイン/チェックアウト日
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サイト別(Airbnb/Bookingなど)
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宿泊数
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単価(1泊あたり)
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クリーニング費用
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合計売上(自動計算)
② 支出記録シート
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日付
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項目分類(家賃/清掃/広告など)
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支払先/内容(例:○○清掃サービス)
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金額
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メモ欄(状況記録)
③ 収支月次サマリー
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月間売上合計
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月間支出合計
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月間利益(売上−支出)
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利益率(%)
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前月比/前年同月比
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稼働率・ADRなどKPI連動
④ グラフ化(任意)
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月次推移グラフ
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費目別の割合(パイチャート)
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売上構成比の可視化(OTA別)
ポイント: Googleスプレッドシートなら無料で自動化・共有・更新が簡単!
活用法①|赤字月の原因特定と改善シミュレーション
例:
10月の利益が▲8,000円だった場合…
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売上は平常通り → 支出が膨らんだ?
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清掃費が2倍 → 台風で予約キャンセル→再清掃が2回発生
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OTA手数料の変動 → Booking経由の比率が増えて高騰
→ 来月は自社予約誘導強化+清掃依頼のキャンセルポリシー見直しで改善
活用法②|稼働率や単価との連動で戦略を立てる
例:
利益は出ているが「清掃費の割合が高すぎる」
→ 長期滞在プランを導入すれば、清掃回数が減って利益率UP
逆に「空室が多くて売上が安定しない」場合
→ 稼働率を上げるために広告投資を“計算して”回すことが可能に。
活用法③|税務処理・補助金対応にも即使える
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帳簿としてそのまま税理士に共有可能
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補助金申請時の「経営計画書」に実績データとして活用
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経費の仕訳整理にも使える(勘定科目欄を追加してもOK)
よくある失敗とその対策
☓ 入力が面倒で続かない
→ 項目数を最小限に絞る/月1回のルーティンでまとめて入力
→ Googleフォームで日々の売上入力→スプレッド自動連携もおすすめ
☓ 支出の漏れで「黒字と思ってたのに赤字」
→ クレジットカード明細・領収書を月末に見直して補完
→ 年払いの費用(保険など)は12分割で計上する工夫を
☓ 清掃や備品などのコストが“なんとなく”で処理されている
→ 清掃費・消耗品費などは1予約ごとに必ず記録する運用を徹底
民泊運営の成功は「収支の見える化」から始まる
収支管理は、面倒に感じるかもしれません。
でも、数字を味方につけた瞬間、民泊運営は一気にラクで強くなります。
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「何泊すれば黒字か」が分かる
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「利益が残る価格設定」ができる
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「改善すべきコスト」がはっきりする
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「売上の波」に不安がなくなる
だからこそ、テンプレートを使って仕組みにしてしまうのが最善策。
まとめ|民泊経営者にこそ“経理の武器”を
感覚で運営していると、運も気分も数字も揺らぎます。
でも、数字で動かせば──
民泊は、「楽しくて安定するビジネス」に変わる。
テンプレートを手に取るのは、単なる管理のためではありません。
あなたの宿を、数字で勝てるビジネスにする第一歩です。