バンブーライスの作り方と各国の違い|フィリピン・ブルネイ・インドの伝統料理

バンブーライス(Bamboo Rice)とは、竹筒を使って炊き上げるご飯のことを指します。しかし、その定義は地域によって異なります。フィリピンやブルネイでは、竹筒に米や具材を入れて炊く伝統料理を指しますが、インドでは「バンブーライス」といえば竹の種子(バンブーシード)のことを指すのが一般的です。本記事では、それぞれの特徴を詳しく紹介しながら、バンブーライスの魅力を紐解いていきます。

フィリピンのバンブーライス

フィリピンでは、竹筒を使ったバンブーライスが「キニルンタン(Kiniluntang)」として知られています。この料理は、主に山間部や先住民のコミュニティで作られる伝統的なものです。竹筒の中にもち米やココナッツミルクを入れて炊き、甘くて香ばしい風味を楽しめるのが特徴といえます。また、「バンブースティッキーライス(Balintawak)」というバリエーションもあり、黒砂糖を加えたもち米を竹筒で蒸し焼きにする一品です。

都市部のレストランでは、観光客向けに特別メニューとして提供されることもあります。特に「カンペンピンガン(竹筒プレート)」で提供されるバンブーライスは、見た目のインパクトも大きく、SNS映えすることから人気を集めています。また、フィリピンではバナナの葉を敷いた上で提供されることもあり、見た目の美しさとともに香りも楽しめるのが特徴です。

ブルネイとマレーシアのバンブーライス

ブルネイのテンブロン地区やマレーシアのボルネオ島では、バンブーライスは「ナシ・リンガン(Nasi Liningan)」と呼ばれています。特にカダザン族などの先住民族の間で、伝統的な料理として親しまれてきました。

この料理は、竹筒の中に米、ココナッツミルク、塩、時にはスパイスや肉を加えて炊き上げるのが特徴です。炊き上がると、竹の香りがご飯に染み込み、独特の風味を生み出します。特に、ブルネイの山岳地帯では狩猟文化と密接に関係しており、野生の動物の肉を使うこともあります。

なお、「バンブーチキン」は鶏肉を竹筒で蒸し焼きにする料理であり、バンブーライスとは異なるため、混同しないようにしましょう。

インドのバンブーライス(竹の種子)

インドにおいて「バンブーライス」というと、竹の種子(Bamboo Seeds)を指します。これは、竹が約40〜50年に一度だけ開花した際に収穫される、非常に希少な食材です。見た目は通常の米に似ていますが、栄養価が高く、糖尿病患者向けの低GI食品としても注目されています。

このバンブーライスは、特に南インドのケララ州やタミル・ナードゥ州で食べられており、カレーやスープとともに提供されることが多いです。また、ポリフェノールや食物繊維が豊富で、健康食品としての価値も高いといえるでしょう。さらに、竹の種子はアーユルヴェーダの視点からも優れた食品とされ、体内のバランスを整える働きがあると考えられています。

バンブーライスのランチとしての楽しみ方

バンブーライスは、その特性からアウトドアやキャンプでの食事に適しています。竹筒のまま火にかけられるため、炊飯器を使わずに調理が可能です。しかし、フィリピンやブルネイでは、日常的なランチというよりも、祭りや特別なイベントで振る舞われることが多い料理でもあります。

たとえば、フィリピンの「バンブースティッキーライス」は、お祭りや収穫祭などで振る舞われることが一般的です。一方、インドのバンブーライスは高級食材として扱われ、特定のレストランや市場でしか手に入らないケースが多く見られます。

また、最近では健康志向の高まりにより、インドのバンブーライスを使ったヘルシーランチが注目を集めています。例えば、野菜やハーブと組み合わせたバンブーライスのサラダや、スパイスとともに炊き上げる「バンブーピラフ」など、多様なレシピが登場しています。

まとめ

バンブーライスは、地域ごとに異なる特色を持つ料理です。フィリピンやブルネイでは竹筒を使った炊き込みご飯を指し、インドでは竹の種子(バンブーシード)を意味します。それぞれ独自の風味や栄養価を持ち、伝統文化の一端を担っています。

また、アウトドアで竹筒を使って炊き上げれば、特別な体験として楽しめます。バンブーライスは単なる料理ではなく、その土地の文化や伝統が息づくもの。食べることで、各地域の暮らしや歴史に触れることができるのも魅力の一つです。

 

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