あなごに含まれている栄養を解剖してみた
穴子は寿司ネタとして非常にポピュラーな存在ではないだろうか。天ぷらにしても美味しいので、ウナギよりも穴子派だという声も聞かれるほど、人気の食材でもある。そんな穴子の魅力や、栄養と効能について紹介していく。
■穴子ってどんな食べ物?
穴子とは、ウナギ目アナゴ科に属する魚類の総称。細長い体型の海水魚で、食用や観賞用に利用される種類がよく知られている。日本で穴子といえば、食用の真穴子をさすことが多いようだ。
穴子といっても150以上の種類が存在しているので、ここでは食用として利用されている主なものを紹介する。
〇御殿穴子
全長は60cmほどで目が大きく、その後ろには小さな黒い点がある。魚肉練り製品の原料。
〇真穴子
全長は、オスが40cm、メスは90cm程度。褐色の体と脇に線状に白い点が並んでいるのが特徴で、浅い海の砂泥底に生息する。日本で食用とされているのがこの種類。寿司、天ぷら、蒲焼などに利用される。
〇黒穴子
全長は、1.5m程で、その名の通り黒色である。主に魚肉練り製品の材料として利用されている。そのままでも食用として利用可能だが、水分が多く味が劣るうえ、皮が厚くて食べにくいといったことから、あまり好まれてはいないようだ。
■穴子の栄養と効能
EPA
コレステロールの低下や抗血栓作用、ガン予防に加え、アレルギー性疾患の症状緩和などに効果的とされる。そのため積極的に摂取したい栄養素のひとつと言える。
〇DHA
神経機能の維持が期待できるようだ。脳細胞の発達や活性化に関わることが知られており、老人性の認知症に効果があるとさ
れる。ガン予防やコレステロール低下、さらにはアレルギー症状緩和などにも効果が期待できる。
〇たんぱく質
穴子の良質なたんぱく質は、体力向上、代謝促進、疲労回復に有効とされている。
〇ビタミンA
含有量は、魚介類の中ではトップクラス。目、粘膜、肌の健康維持に良いとされており、眼精疲労、肌荒れに有効だ。生殖作用の維持や免疫力の向上、感染症予防などの効果も期待できるので、風邪の予防にも摂取しておきたい。
〇ビタミンA
高い抗酸化作用があり、美肌や血流を良くするのに効果的なようなので、老化防止に有効とされる。
〇カルシウム
言わずと知れた骨の成育に関わる栄養素。骨粗しょう症予防に有効とされ、加えて傷の修復、神経や筋肉の働きにも関係している重要な栄養素のようだ。
穴子はよく比較対象とされるウナギに比べると、栄養価は数値的には劣る。しかし、脂質がほぼ半分以下なので、カロリーや油脂を気に掛けている多くの人には朗報ではないだろうか。
■最後に
安価であることで穴子が注目されているようだが、穴子には穴子の良さがあり、その個性を存分に発揮している。穴子はウナギの陰に隠れやすいが、ポテンシャルの高い魚なのでぜひ活用してみてはいかがだろうか。