【保存版】民泊の“車椅子対応入口”完全ガイド|段差・スロープ・設計のコツとは?
◆ はじめに|「その入口、誰のためのものですか?」
民泊を運営している皆さん、「車椅子ユーザーも快適に使える入口」について、真剣に考えたことはありますか?
せっかく室内をおしゃれに整えても、入口に5cmの段差があるだけで、車椅子の方にとっては“入れない宿”になります。
そしてその小さな段差が、予約のキャンセルや悪いレビューにつながってしまうことも。
2025年、旅行市場の主役は“誰もが安心して楽しめる空間”を選ぶようになりました。
そこで今回は、民泊における「車椅子対応入口」の作り方と成功事例を、わかりやすく解説します。
◆ 第1章|なぜ「車椅子対応入口」が必要なのか?
✅ 超高齢化社会とバリアフリー旅行の急増
-
日本では**65歳以上が人口の約30%**を占め、今後も高齢者向け旅行ニーズは拡大。
-
車椅子利用者は全国で約200万人。高齢者の旅行には“段差ゼロ”の入口が求められます。
✅ 外国人観光客もアクセシビリティを重視
-
欧米を中心に、「車椅子で入れる宿かどうか」を重視して選ぶ旅行者が増加。
-
Booking.comやAirbnbでも「Wheelchair Accessible」の項目で検索される時代。
✅ 差別化と高評価につながるチャンス
-
実はバリアフリー民泊はまだまだ少数派。
-
だからこそ「車椅子で入れる」だけで、ニッチだけど熱い支持を得られる可能性大。
◆ 第2章|車椅子対応の入口をつくる5つのポイント
「とにかく段差をなくせばOK」という単純な話ではありません。
車椅子ユーザーにとっての使いやすさは、スロープの角度、幅、動線、安全性まで考慮する必要があります。
① 段差をなくす(ステップレス構造)
-
入口に1cmでも段差があると、車椅子の前輪が引っかかる。
-
スロープで解消するか、完全なフラット構造にする。
② スロープ設置のベスト設計
-
傾斜は1/12以内が目安(1mの段差に対して12mの長さ)
-
短い距離に無理な傾斜をつけると、危険・利用しにくい
③ スロープと地面の段差をシームレスに
-
スロープの先端が地面に“ピタッとつく”形に。
-
ゴム製やアルミ製のスロープで簡単設置できるものもあり。
④ 扉の幅と開閉方式
-
最低でも幅80cm以上が必要。できれば90cm以上。
-
開き戸ではなく、引き戸 or 自動ドアが理想。
⑤ 滑りにくい床材・足元ライト
-
雨天時にスロープが滑りやすいと危険。
-
滑り止め加工、夜間照明、手すりの併設で安全性UP。
◆ 第3章|民泊での設置事例(全国の好事例)
▶ 事例①:千葉県「海辺のバリアフリーコテージ」
-
海までスロープ直通
-
電動車椅子でも通れる入口+室内段差ゼロ
-
口コミ:「祖母が感動して泣いた宿」
▶ 事例②:奈良県「古民家ステイ 輪和(わな)」
-
築100年の古民家をバリアフリーリノベ
-
和風引き戸で開閉しやすく、広々とした玄関土間設計
-
車椅子ゲスト比率、全体の約30%
▶ 事例③:福岡県「たまのやゲストハウス」
-
入口に着脱式スロープあり
-
室内には介助者も使いやすい設計+スマートロック連携
-
Booking.comで「9.5」評価(アクセシビリティ高評価)
◆ 第4章|「入口の情報発信」で予約数は大きく変わる
せっかくバリアフリー対応しても、“伝わっていない”と意味がありません。
✅ OTAサイトのバリアフリー欄にチェック
-
Airbnb、楽天トラベル、じゃらんでは「車椅子対応入口」のチェック項目がある。
-
写真も必ずアップ。スロープの傾斜や幅が伝わるカットを意識。
✅ SNSや自社サイトで「入口紹介の動画」を発信
-
実際に車椅子を使って入る様子を動画で見せると信頼感UP。
-
「段差ゼロの民泊」などのタグでリーチ拡大。
✅ Googleマップに“バリアフリー対応”を明記
-
Googleマイビジネスで「バリアフリー入口あり」に設定。
-
地図上で探している人にも見つかりやすくなる。
◆ 第5章|導入コストと補助制度について
「設備投資は高そう…」と思うかもしれませんが、意外と低コストで導入できる方法も多くあります。
✅ ゴム製スロープなら1万円以下で導入可能
-
高耐久ゴムスロープ(段差2〜5cm対応):5,000〜8,000円前後
-
アルミ式の伸縮スロープ:1万円〜2万円程度
✅ 補助金制度も活用可能
-
各自治体の「バリアフリー改修助成金」
-
国土交通省の「ユニバーサルツーリズム推進事業」
※2025年度も継続見込み。詳細は各自治体HPへ。
◆ まとめ|“入口”が変われば、顧客が変わる
「車椅子対応の入口」──
それは、単にバリアをなくす設備ではありません。
それは「この宿は、すべての人を歓迎するという意思表示」です。
✓ 高齢者と一緒に安心して泊まれる
✓ ケガや妊娠中でも不安がない
✓ 車椅子ユーザーにとって“選べる数少ない選択肢”
あなたの民泊が、ひとつの入口から“新しい市場”へとつながっていきます。
バリアを取り除くことは、ビジネスの可能性を広げることなのです。