のどぐろがとても美味しい旬の時期はいつだろう

 
■高級魚として知られる「のどぐろ」とは?■
 我々日本人はお魚を食べることが多いです。今回ご紹介する魚の中で「のどぐろ」については、食べたことのない方もいらっしゃるのではないでしょうか。高級魚とも言われています。1匹3,000円前後で取引され、高級料亭で提供されるものには1万円を超えるものもあるほどです。
そんな「のどぐろ」という魚を皆さんご存知ですか?スーパーで見かけたことがあるという方や、まったく知らないという方など、様々な方がいることでしょう。
そんな「のどぐろ」について今回はご紹介いたします。

■「のどぐろ」の由来とは?■
 のどぐろの由来は「喉黒」にあります。文字どおり、「喉が黒い魚だから」ということです。実際にのどぐろの口を開くと、中が黒いのが確認できます。
実はのどぐろ、関東でとれるアカムツという魚と同じ種類なんです。どうして「のどぐろ」と「アカムツ」は同じ魚なのに呼称が違うのでしょうか。それは地域によって呼び名が違うからです。
方言と似たよう圭原理です。「アカムツ」が正式名称であります。島根県や石川県などの日本海側では「のどぐろ」と呼ばれています。島根県では「のどぐろ」をブランド化し積極的に売り出そうとしています。日本海側でしか「のどぐろ」という名前は聞きませんでした。「のどぐろ」という名前が全国的に知れ渡った要因があります。それは島根県出身のプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が「のどぐろが食べたい。」とメディアで発言をしたことで全国的に「のどぐろ」の知名度をあげました。この発言以降、「のどぐろ」が一躍有名になり全国的に定着しました。

■産地の紹介■
 のどぐろは、日本列島、北は新潟から南は長崎までの、日本海側を中心に水揚げされています。
これから産地を紹介していきます。

〇島根県〇
 島根県には全国に13しかない「特定第3種漁港」の浜田漁港があります。
島根県ではノドグロの水揚げ量が年々増えており、2011年には90tだったものが、2015年には156tと大漁です。
また、浜田市は水産加工が全国的に有名で、主に山口県(有名な下関)で水揚げされたノドグロも干物などに加工して全国に流通させています。
浜田市は水産業が盛んで特に重要視されている地域で、のどぐろ漁獲量が日本全体の漁獲量の30%を占めるほど、高いシェア率を誇っています。
島根県では山陰沖での漁が中心ですが、この海域は特にエサが豊富なため、脂乗りが最高です。
エサは豊富なだけでなく、「カラヌス」と呼ばれる脂質の多いプランクトンが生息しています。このプランクトンのおかげで周辺海域のノドグロはたっぷりと脂肪分を蓄えてくれるのです。
 
〇山口県〇
 山口県下関でのどぐろは漁獲されています。下関といえばトラフグやアンコウが有名ですが、実はノドグロの水揚げ量が国内で最も多いことはあまり知れていません。
のどぐろは、秋口から冬にかけて水揚げが最大となります。
あまり有名でない理由は大きくは2つあります。
1点目:東京、名古屋、大阪と消費が多い都会へ鮮魚として流通するものがほとんどです。そのため、地元の人ですら水揚げ量が多いことを知りません。
資金力豊富な仲買人が買い占めて利益の高い都会へ流通されるケースもあるようです。
2点目:加工技術が他県に劣る。島根県は干物加工の歴史があり、昔から下関で水揚げされたのどぐろの加工を島根県で行うケースが多くあります。
下関で水揚げされたのどぐろが島根県で加工されているため、あまり知られていないというのが現状です。

〇長崎県産
 長崎県では、先にご紹介した島根県同様にノドグロをブランド化して売り出しています。目が赤いことにちなんで「紅瞳」。2005年頃からブランド化に着手し、2017年現在では平均単価を60%upさせることに成功しています。
主な出荷先は福岡、金沢、関東方面で、最近では大阪を中心に関西方面への売り込みも強化しています。
対馬近辺(九州と韓国の間の島)が主な漁場で、良質なノドグロが漁獲される海域でもあります。

〇石川県〇
石川県には69の漁港があり、そのうち2港は全国的に利用される第3種漁港です。
金沢では佐渡ヶ島から能登半島沖にかけてのどぐろが取れますが、秋口ののどぐろが特に脂乗りが良いとされて高値で取り引きされています。
石川県内では実際にのどぐろを提供する料理店が多くあり、ノドグロが生活に溶け込んでいます。

〇新潟県〇
 新潟には47の漁港があり、石川県と同じく2港が全国利用される第3種漁港です。
新潟県内の主に山北、岩船、新潟、筒石の底びき網で多く漁獲されます。新潟県では7~8月は資源保護のため、底曳き網が禁漁期になることからその間は延縄で漁獲されます。
新潟県産は8月から9月が旬で焼き魚として食べることが多く、次いで煮魚、刺身が一般的です。
 
■のどぐろの旬はいつ!秋から冬にかけて脂がのっている?!■
 旬の時期にのどぐろを食べてみたい!という方も多いと思います。
のどぐろは実際1年通して水揚げされます。どの季節でも流通しているということを始めにお伝えします。旬の時期以外でものどぐろは食べることができるのでご安心ください。
ここから、のどぐろの旬について紹介していきますが、なんとのどぐろには”旬”の候補がいくつか存在します。候補ごとに紹介していきます。

〇夏から秋にかけての時期
 候補1つ目として夏から秋にかけてが旬。
理由はのどぐろの産卵期が7月~9月からでこの期間ののどぐろは産卵のために栄養を蓄えています。そのため、身の脂ノリがよく旬と考えられています。
この産卵期が旬だと考えている人は多いそうです。

〇秋が旬〇
 候補2つ目として、9月~12月が旬。主に、島根県などの山陰側中心に秋が旬と考えています。
山陰沖では夏以降に中型・大型ののどぐろの水揚げ量が増えます。大きければ大きいほど脂ノリも良いという研究結果もあります。
大ぶりなのどぐろが水揚げされる秋が旬だと、島根県や山陰側では定着しています。

〇冬が旬〇
 候補3つ目として、11月~2月の冬が旬であるということです。主に石川県などでは冬が旬であると考えている人が多いそうです。
理由は、寒い冬を超えるために脂肪を蓄えているための脂ノリがいいということです。
その反面、冬は時化て水揚げ量が減少気味になるのが痛いですね。

 のどぐろの産地は主に日本海沿岸となります。最終的にのどぐろは秋から美味しくなり、暖かくなる春までが美味しい時期なのではないでしょうか。
また、冬は海が時化るために漁獲量が少なくなる傾向があります。のどぐろは高級魚としても知られていますが、漁獲量が少なくなるため、需要と供給の関係でも価格が高騰すると言えるでしょう。のどぐろの旬については諸説ありますが、いろんな時期ののどぐろを味わってみて、あなたにとっての旬の時期を見つけてみてもいいかもしれないですね。

■のどぐろを味しく食べる方法■
 美味しいのどぐろの食べ方を紹介します。正直、どの食べ方を選んでもどれも美味です。個人のお好みで好きな食べ方をしてみてください。

〇刺身〇
 一番オススメなのは刺身です。のどぐろの味や脂身を堪能したいなら刺身をオススメします。
しかし、新鮮な刺身を食べれるのは漁獲している地域まで足を運ばないといけません。のどぐろの刺身は希少性が他の食べ方より高いとも言えます。

〇炙り〇
 刺身も食べた方は炙りも堪能してみてください。炙っただけでまた一段と至高の脂身を堪能できます。
刺身と違う舌ざわりもまた一興です。

〇煮つけ〇
 安定の美味しさです。味付け方法によっていろいろなのどぐろが味わえます。
また、産卵時期ののどぐろは卵を持っているので、煮つけをより一層オススメします。

〇塩焼き〇
 魚の調理方法でシンプルですが、一番素材を美味しくお手頃に食べることができます。
身から溢れる上品な脂を堪能することができます。

〇干物〇
 干物が手に入れられるハードルが一番低いと言えます。干した後に冷凍して全国どこでも流通が可能です。
干物は身があまりなく薄っぺらい印象がある方も存在すると思いますが、のどぐろの干物はそんなことはありません。
しっかりと身が詰まっています。そして、刺身や塩焼きに負けて劣らずの上品のある脂身をしています。干物にしたから旨味が極端に落ちるわけではありません。
むしろ、違った角度で美味しさを演出しています。
一番お手頃な干物を手に取って食べてみることをオススメします。

■最後に■
 近年、のどぐろの存在が全国的に定着してきました。しかし、まだ食べてみたことがないという方も一定数居ると思います。ぜひ、秋ごろののどぐろを食してみてください。
一番美味しいのはのどぐろの刺身です。しかし、日本海付近に住んでいない方は簡単に食べることはできないと思います。
干物だと冷凍で通販で販売しています。干物が一番お手頃に入手できますので、まずは干物から食べてみてはいかがでしょうか。
一度食べてみたら、のどぐろの美味しさに感動することでしょう。まずは食してみください。