【あごだしとは?だしの中では高級?ラーメンや鍋にも使える万能だし】
普段の料理に欠かせない”だし”。今回は島根県のおいしいあごだしのご紹介をしていきたいと思います。
【1,だしとは】
だしとは、食材を水につけたりに出したりして旨味や栄養素を抽出したものです。
和食ではあごだし、かつおだし、昆布だし、煮干しだし、椎茸だしなどがあります。だしは1種類だけではなく複数のだしを組み合わせることで旨味をより引き出すことができます。
■例えば有名な組み合わせだとかつおだしと昆布だしの合わせだしです。
動物性のだしの旨味成分にはイノシン酸、植物性のだしの旨味成分にはイノシン酸が含まれているためお互いが違う旨味を引き出してくれます。
なので基本的には動物性と植物性のだしを組みあわせることでより旨味の深いだしを作ることができます。
料理によって使い分けることもでき、野菜料理には動物性のだしを使うことでコクがより感じられるようになり、肉料理に植物性のだしを使うことで全体的にまろやかな味わいになります。
このようにだしには様々な種類があり、その組み合わせも多種多様に及びます。
【2,あごだしとは】
あごとはトビウオのことを指し、出雲地方では6月の産卵の時期に出雲の海域にやってきます。そのため島根県では旬な時期にとれるトビウオ(あご)を使った様々な特産品があります。
回遊魚であるトビウオの一番おいしい時期に収穫できるのが島根県といっても過言ではないため旬のトビウオから作るあごだしは特に旨味が凝縮されています。
あごだしは文字通りトビウオ(あご)からとる魚のだしですので、粉末や割りといって煮干しのような状態で使われることも多いです。
トビウオは風を利用して海上を飛び跳ねるため運動量が多く、他の魚と比べると雑味となる脂肪分が少なく青臭さもないと言われています。
上品でやさしい風味の中に旨味とコクが味わえるため、口当たりがよくお澄ましに使え、だしの中でも高級な位置づけとなっています。
【3,あごだしの有名な産地】
あごだしの有名な産地は九州では長崎県や鹿児島県。静岡県や島根県でもおいしいあごから作られるあごだしが作られています。
特に島根県出雲市塩津は島根県内でもおいしいあごだしが生産されていることで有名です。島根半島に位置し、雄大な日本海を臨む海と山に囲まれたとても美しい土地です。漁場としても非常に恵まれた土地であり、塩津の定置網での水揚げ量は島根半島で1位となっています。
もちろんトビウオ(あご)の水揚げも多く、港近くの加工場で新鮮なまま加工されます。
魚介系のだしは和食など様々な料理で重宝され、シンプルで上品な味やコクが好まれます。
※島根県出雲市塩津の風景
【4,あごだしの主な使用方法】
■汁物・茶碗蒸し
味噌汁や吸い物、茶碗蒸しなど、出汁をそのままいただく料理に使うのがおすすめ。上品な口当たりで、煮干しやかつお節でとる出汁とはまた違った、あごの深いコクを存分に楽しむことができます。
■煮物・鍋
具材にたっぷりの出汁を染み込ませて仕上げる、煮物や鍋に使うのもおすすめの調理方法。あごだしで作ると、まるでお店で食べられるような本格的なひと品になると評判です。そのほかに、おでんや炊き込みご飯などがおすすめですよ。いつもの料理をワンランクアップさせ、上品で旨味のある味わい堪能しましょう。
■ラーメン・うどん
あごだしを使う名物料理と言えば、長崎県の「五島うどん」。あごだしとの相性のよさは折り紙付きです。また、同じ麺類のなかではラーメンとの相性もいいようです。にぼしを使うスープはよくありますが、あごだしでとるスープの味わいはとってもスッキリ。旨味のあるコク深いスープに仕上がります。
■お茶漬け
実は知られていませんがあごだしのお茶漬けは格別です。だしが決め手のお茶漬けであごだしの上品な出汁を使用することで鮭や海苔との相性が抜群!あごのほのかな甘みも加わり、メインで食べることができる逸品になります。