【高級魚「のどぐろ」の最も美味しい旬な季節とは?】島根県や石川県など有名な産地や美味しく食べる方法等
【日本海の高級魚”のどぐろ”とは】
【高級魚のどぐろの旬は?おいしい時期とは?】
のどぐろは地方によって呼び方の異なる魚で、その旬やおすすめの時期は地域によって異なるといわれております。
その理由は産地によって、餌の種類や育ち方が異なる為とされており、またどんな調理方法で食べるかによっても異なります。
まず第一のおすすめ時期は、どの魚にもいわれることの多い産卵期の前です。
のどぐろに限らず、ほとんどの魚が産卵の為に身体に栄養を蓄えようとするので、普段より多くの餌を食べ、脂の乗りが良いとされています。
のどぐろの産卵期は7月~10月といわれており、産卵期が終わる9月頃までが美味しい旬の時期とされております。
産卵期が終わると、身がやせたり、卵に栄養をとられている為、味が落ちる魚もいるそうですがのどぐろについては、そこまで変わりがないという方もいらっしゃいます。
島根県では、のどぐろのブランド化が進んでおり、8月から翌年5月にかけて獲れたのどぐろで一定の基準を満たしたものだけ「どんちっちノドグロ」と呼ぶことが出来ます。
山陰沖では8月の夏以降、大きなサイズののどぐろが獲れることから、旬は秋から冬にかけてと言われることが多いそうです。
大きいサイズののどぐろほど、脂乗りがよく、美味しいとされているので
島根県産ののどぐろを食べるのであれば秋からがおすすめです。
また、産卵期と同様に、冬を乗り切る為に栄養を蓄えた11月から2月にかけてが旬という見方があり、特に金沢では、のどぐろは冬に食べるものという考えが定着しているそうです。
脂がのっているという理由だけでなく、のどぐろを保護する為に産卵期である7月~10月を避け、冬に獲るという説もあるそうです。
島根県水産技術センターが報告した研究結果によると、のどぐろの脂乗りは季節によるというよりも個体の大きさによるところが大きいとされています。
大型のものになればなるほど、脂乗りが良いとされており、見た目では脂乗りが判別できないので個体の大きさに頼って目利きするのがおすすめです。
【高級魚のどぐろの有名な産地】
のどぐろは、日本では青森県~九州の日本海・東シナ海沿岸、北海道~九州の太平洋沿岸の幅広い海域に生息しています。全国各地の漁港で水揚げされますが、よく知られているのは北陸や山陰、九州の海域で獲れたものです。
ここでは、漁獲量の多い県やのどぐろのブランド化が進む県を中心に、有名な6つの産地をご紹介します。
■「島根県」
全国有数ののどぐろの漁場として知られる島根県沖では、浜田市や大田市などを中心に、古くからのどぐろの底びき網漁が盛んに行われています。なかでも、のどぐろを「市の魚」に掲げる浜田市は、全国的にも有名な大産地。
8月から翌年5月にかけて水揚げされ、サイズや鮮度などの条件を満たしたものを「どんちっちノドグロ」としてブランド化しています。
■「山口県」
島根県と並ぶ漁場として有名なのが、山口県萩市の見島沖。高品質なのどぐろがまとまった量集まる下関漁港は、東京や大阪など大消費地向けの卸としての役割も果たしています。
水揚げされたのどぐろのうち、県統一の「やまぐちブランド」に認定されるのは、サイズや脂質含量などの基準を満たした上質なものだけです。
■「新潟県」
日本海に沿って細長く、豊富な漁場を持つ新潟県でも、のどぐろは県を代表する魚のひとつ。砂地の海底を好むのどぐろにとって、阿賀野川と信濃川から大量の砂が流れ込む新潟県沖は恰好の住処となっています。
主な水揚げ地は、糸魚川市・村上市・新潟市・佐渡市など。「新潟市水族館 マリンピア日本海」は、のどぐろの稚魚の人工育成に世界ではじめて成功したことでも有名です。
■「石川県」
のどぐろは、北陸屈指の観光地・金沢の名物としても知られています。
市内の人気スポットである近江町市場には、のどぐろの丼や寿司、ひつまぶしなどを目当てに訪れる観光客がたくさん。漁場は県内の幅広い海域にわたっていて、金沢以外にも輪島市や田尻町、志賀町などで新鮮なのどぐろが水揚げされています。
■「富山県」
標高3,000m級の北アルプスから栄養豊富な河川水が流れ込む富山湾は、全国にも類を見ないほど多様な魚種が生息する海の幸の宝庫。
そんな魚自慢の富山で獲れるのどぐろは、鮮度・品質ともに優れた上等品です。県内最大の漁港・氷見を中心に、射水市や魚津市などの漁港でも水揚げされています。
■「長崎県」
九州ののどぐろ産地といえば、もっとも有名なのが長崎県。なかでも対馬市のブランドのどぐろ「紅瞳(べにひとみ)」は、「地獄縄」という特殊な仕掛けで1本ずつ丁寧に釣り上げられています。
定置網で漁獲される一般的なのどぐろと比べても、1本釣りの紅瞳はキズがなく魚体がキレイ。流通時の温度管理などにも徹底してこだわった最高級品です。
【絶品のどぐろのおいしい食べ方】
クセのない味わいが何にでも合うのどぐろ。
ここでは、定番の食べ方や調理法を5つご紹介します。
■「干物・一夜干し」
旨味が凝縮された干物や一夜干しは、のどぐろの身近な楽しみ方。
「のどぐろ特有のコクのある甘味は、干物にしてこそ引き立つ」と言う人もいるほど、唯一無二の美味しさが味わえます。手軽に調理できるので、贈答品としても人気です。
■「刺身・寿司」
新鮮なのどぐろが手に入ったら、ぜひ食べたいのが刺身や寿司。醤油に脂が浮き上がるほど脂がのった身を、さっぱりと楽しむことができます。
湯引きして皮を剥いだものもいいですが、皮と身の間にある脂を活かした炙り(焼霜造り)もおすすめ。旨味の相乗効果が生まれる昆布締めの刺身や寿司も絶品です。
■「塩焼き」
のどぐろの上品な脂を思いきり味わいたいなら、シンプルに塩焼きにするのがイチオシ!
パリパリの香ばしい皮を箸で崩すと、甘みたっぷりの脂がじゅわっと染み出してきます。口の中でほろほろとほどける食感は、一度食べたら忘れられません。
■「煮付け」
夏~秋の産卵期に子持ちのどぐろが手に入ったら、甘辛いタレでふっくらと仕上げる煮付けにしましょう。
ふわふわしたやわらかい身と、とろけるような口どけは格別。旨味が溶け込んだ煮汁をご飯といっしょにいただくのも至福のひとときです。
■「しゃぶしゃぶ・鍋」
高級料亭でも提供されている憧れの一品が、のどぐろのしゃぶしゃぶや鍋。
のどぐろが美味しいのはもちろんですが、旨味たっぷりのスープを吸った野菜類やシメの雑炊もとっておきのご馳走です。
どの時期でも脂ののった美味しいのどぐろが食べられることが分かりましたが、更に食べ方によって旬を決める方もいらっしゃるそうです。
煮付けは煮付けでも、子持ちを食べたい場合には産卵期。
お鍋で楽しむなら夏より冬。干物や一夜干しであれば一年中。といった見方が出来るので、どんな食べ方でのどぐろを楽しみたいのかによって考えるのがおすすめです。