江津市

江津(ごうつ)市は「東京からいちばん遠い市」として教科書に載ったこともある町です。
中国山地を流れる江の川(ごうのかわ)の河口があり、小さい町ながらも産業が栄えています。

日本海と大河によって支えられている魅力が詰まった町をご紹介します。



【江津市とは】
島根県の西部に位置し、県庁所在地の松江市から西へ約100キロ、
中国地方最大の都市・広島市からは北へ約110キロの距離です。

江津市の面積は、268.24平方キロメートルで、
東京ドームに換算すると5707個分になります。

約1300年前には、万葉の歌人、柿本人麻呂が妻・依羅娘子(よさみのおとめ)とともに過ごしたとされ、
2人の別離を詠んだ「石見相聞歌」は現代でも多くの人たちに愛されています。

●江の川とともに開けたまち

江の川は中国地方最大の大河です。
中国山地の水源から194キロかけて日本海に注ぐ河口に、江津市は位置しています。

「江津(川の港)」の名のとおり、江の川の河口の港として発展し、
江戸時代には北前船の寄港地として栄えました。

かつての中心地であった江津本町は、
江戸時代に建築された商家の家屋なども多く残っています。

●赤瓦の街並み

良質な粘土層に恵まれていることから、日本三大瓦の一つ、石州瓦の産地としても知られます。
「来待(きまち)色」とも呼ばれる赤瓦は寒さに強く、耐久性に優れ、全国各地に流通しています。
市内には江津本町をはじめ赤瓦の町並みが広がり、地元のアイデンティティーにもなっています。

●温泉やレジャーも

近年では、広島方面からのドライブ・コースとしても知られ、
カフェやレストランを巡ったり海岸でサーフィンなどを楽しんだりしに訪れる人も増えています。
名湯・有福温泉や浜田海浜公園なども人気のスポットです。

●クリエイティブが生まれる町
小さな町ですが、小さい町だからこそできるアイディアを形にした
新たな商業が増え始めており、県内で非常に注目が高いエリアです。
ビジネスプランコンテストも定期的に開催されており、スタートアップができるような環境が整えられています。


【江津市の特産品】
・江津まる姫ポーク
海風に鍛えられた豚肉は、
うまみと栄養がぎっしり詰まっています。

・桑茶
有機栽培にこだわって生産され、
桑特有の健康成分がたっぷり含まれています。

・イノシシ肉
中山間地に生息するイノシシの肉です。
牡丹鍋、すき焼き、コロッケなど様々な食べ方ができます。

・鮎
江の川では身の引き締まった天然の鮎が獲れます。

・真和アジ
シャーベットアイスで生き締めにした鮮度抜群のアジは、
東京でも高値取引されるほど好評です。

・桜江ごぼう
江の川沿いの恵まれた土壌で育ったごぼうは、
風味豊かで柔らかく、歯切れが抜群です。

・白ネギ
採れる甘くて柔らかい白ネギは、
糖度の高さが特徴。鍋料理にうってつけです。

海産物だけでなく、農産物の栽培も盛んなのが江津市です。
そのお中でも特におすすめをピックアップして紹介します。



【江津まるひめポーク】

島根県江津市は、一年を通じて日本海からの風が吹く、豚を育てるのに適した土地です。
おが粉を敷いた清潔な豚舎の中で海風に鍛えられ、うまみと栄養がぎっしりつまっています。
最も発育状態の良い雌豚だけを厳選した「まる姫ポーク」はきめ細やかな肉質で脂に甘みがありどんな料理でも好相性です。

【江の川の鮎】

江の川の激流にもまれ身の引き締まった鮎です。
仔を持つ前の9月頃の鮎は脂がのって食べ応え十分です。
一部の地域では、お盆のおもてなし料理として、焼き鮎をぜいたくに使った「鮎そうめん」が伝えられています。

【フルーツトマト】
ストレスを与えるほど甘くなるという観点から
養水分を必要以上に与えないスパルタ的な方法で栽培しています。
甘味、酸味、食味のバランスに優れたフルーツトマトです。
自然な甘さで、お子さまや女性、トマトが苦手な方にもおすすめです。


【敬川まんじゅう】

敬川(うやがわ)に来たら"敬川まんじゅう"でしょう!と言われるほど、
地域では親しまれているお菓子です。
黒糖を使った口当たりの柔らかい生地とあっさりした甘味のこしあんが素朴な田舎まんじゅうです。
販売している㈲中田屋は海石(いくり)、貝もなか、きなこ饅頭もおすすめです。

【リセラファームのはちみつ】

江津市とお隣の浜田市の山間で養蜂を営み、朝どれ蜂蜜を瓶詰した、
100%国産の天然蜂蜜です。
混ぜものもなく、ミツバチが運んだ花の蜜の本物の甘さを楽しめます。
また、ミツバチが農薬のついた花から蜜を採取しないよう、
人里から離れた自然環境で養蜂しているため安心です。


まとめ
江津市は栽培にこだわって生産された商品や、昔ながらの変わらない味を受け継いでいるお菓子など、
古さと新しさがミックスしている土地です。
この機会に小さな町のあふれる魅力を味わっていただければ幸いです。