飯石郡

飯石(いいいし)郡は、現在の飯南(いいなん)町です。
山に囲まれ、登山などのアウトドア好きに人気のスポットですが、
特産品などはあまり知られいない穴場エリアです。
飯南町の隠れた魅力をご紹介します。

【飯石郡とは】

人口は約5千人。島根県中南部にあり、広島県との県境です。
約 90 %を山林占めており、自然豊かな場所です。

●神在月の始まりの場所
『出雲国風土記』によると飯南町にある琴引山は、
オオクニヌシの神宝である「琴」が納められている山として記されており、
「出雲神在月」に全国の神々が最初に降臨する山として知られています。

旧暦の10月に八百万の神々は出雲大社に集まる際、まず、琴引山に降臨し、
琴引山を流れる神戸川を伝い、日本海へ出て稲佐浜から出雲大社へ向われるといわれています。


●出雲大社を支える大しめ縄
出雲大社にある神楽殿の特徴的な大きいしめ縄。実は飯南町で制作されています。
寒暖差が激しい飯南町は、脂分が蓄えられたしなやかで強い稲わらが育ちます。
飯南町はしめ縄づくりに適した稲わらの産地で、「大しめ縄の里」としPRしています。
出雲大社などの大きいしめ縄は、職人だけでなく住民の力を借りて大人数で製作することもあります。



●心と体を癒す森林セラピー

森林セラピーとは、この森林浴の効果を、医学的・科学的に解明し、
その人に合ったプログラムを実施することにより、より効果の高い"癒し効果"を得ることです。

しめ縄作りやシャワークライミング、スノートレッキングなど
個人に合わせたプランをガイドが設定してくれます。
飯南町の自然や文化に触れて、より自分自身の身体に目を向けられるような体験ができます。


【飯石郡の特産品とは】

【一福そば】

現在は島根県内外に10店舗あり、知名度も高い一福(いっぷく)ですが、
昭和三十三年に飯南町で始まりました。
琴引山のミネラル豊富で口当たりがまろやかな湧き水で蕎麦を打っており、
雑味がなく、出雲そば独特の力強い風味と、
そば本生のふくよかな食感が味わえます。

甘皮も一緒に挽きこんだ「一本挽き」の黒いそばが特徴で、
出雲地方独特の食べ方である、丸い漆器を重ねた「割子(わりご)そば」で
食すのがおすすめです。



【シードル赤来(りんご)】

シードルとはりんごの発泡酒のことです。
りんご狩りが楽しめる人気スポット「赤来高原観光りんご園」で採れたりんごを100%使用しています。
低温で発酵され、新鮮でほのかなリンゴの風味と爽やかな酸味が感じられます。
はつらつとしたのど越しは、様々な料理との相性抜群です。

【カモしゃん米】

アイガモ農法で育てたお米です。
由来は、カモが稲を"しゃんと(しっかりと)"育てたから「カモしゃん米」という名前を付けたそうです。
田んぼにアイガモを放し、農薬や化学肥料をつかわず雑草や害虫駆除する農法で、
アイガモが水田を掻き回すことで水温を上げたり、
酸素を補給したりと稲の成長を助けるので、しっかりとした稲が育ちます。
農薬や化学肥料を使っていないから安心安全で体にやさしいお米です。

標高約500mに位置する地域のため、コメ作りで重要な寒暖差と、
澄んだ空気と清らかな水、豊かな土壌に恵まれた環境です。
アイガモとともに手間ひまかけて作られたお米は、栄養とうま味がぎっしり詰まっていて格別です。



【由来の大しょうがパウダー】

特産品である「由来(ゆき)の大しょうが」は、
ミネラル豊富な火山灰土や源流からの清流、そして昼夜の寒暖差によって
黄金色で香りが高く、苦みがなくまろやかな風味が特徴です。

それをパウダー状にしたものが、「由来の大しょうがパウダー」です。
飯南町で栽培された大しょうがの栄養分や旨味がギュッと凝縮されたた商品で、
カレーやチャーハンなどに振りかければちょっとしたアクセントになり、
寒い季節に温か飲み物に入れるのもおすすめです。



【赤来和牛】

飯南町は和牛の産地である奥出雲エリアに位置し、昔から放牧が盛んだったこともあり
和牛が飼育されています。
水が清らかな山あいで育てられてた黒毛和牛は、

きめ細やかな霜降り肉と、深いコクが味わえます。
食べた瞬間に口の中にジュワっと肉汁が広がり、贅沢な肉の旨味を十分に堪能できます。

【メロン】
琴引山から流れ出る豊かな水と、昼夜の寒暖の差が大きい飯南町では、
大玉で糖度の高いおいしいメロンが栽培されています。
つるを上に伸ばして果実を実らせる立体栽培で、
1本のつるに実らせる果実は1個だけという丁寧な栽培を行うことで、
品質の高いメロンが作られています。

なかでもアムスメロンは、特に食味が優れており、
肉厚で濃厚な甘みを楽しめます。

【しめ縄】
多雪地帯のため、農家の冬仕事としてわら細工が盛んに行われていました。
雪靴、蓑、わらじ、など多くの生活用品がわらで作られており、
代々受け継がれてきた技術が、大しめ縄づくりに活かされています。

しめ縄の生産をしている「飯南町大しめなわ創作館」では、
伝統文化を後世に受け継ぐため、職人が日々腕を磨いています。



まとめ

島根県の中でも広島に近いエリアですが、神話や出雲大社との繋がりも強く
伝統文化が今に残っている地域です。山間部の寒暖差を活かして育てられたフルーツなどは
甘みが強くジューシーな味わいが楽しめるので、ぜひお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。