鹿足郡

鹿足郡(かのあしぐん)は島根県の西部に位置し、
津和野町(つわのちょう)と吉賀町(よしかちょう)で構成されています。

山口県との県境のエリアで、
萩とセットで観光を楽しむ方が多いエリアです。

400年前から続く鷺舞や流鏑馬神事は伝統高く、
毎年多く人を魅了している土地です。

【鹿足郡とは】
~津和野町~
●山陰の小京都と呼ばれる街並み
町の中心部にある殿町通りは、城下町時代の古いたたずまいを残しており、
多くの観光客が訪れる人気スポットです。
通りに沿って流れる掘割には、鯉が泳いでおり、優雅な景観を演出しています。

●太皷谷(たいこだに)稲成神社
津和野城の城山の一角であり、江戸期には時刻を知らせる太鼓が鳴り響いたという由来があります。

稲荷ではなく「稲成」と表記されており、
稲成の「成」は、お願い事がよく叶う、願望成就・大願成就などの意味が込められています。


●日本遺産の決め手となった百景図
『津和野百景図』は、幕末の津和野の様子を描いたものです。
町の風景だけではなく、祭事、名産品に至るまで丁寧に描いています。

現在も現存している建物や松の木など、百景図と同じ景色を見ることができ、
当時の賑わいを感じることができます。

●伝統行事「鷺舞(さぎまい)」
京都発祥で津和野に伝承されている伝統の舞です。
現在まで約400年の廃絶することなく奉納され続けている唯一の鷺舞であり、
国の重要無形文化財として指定されています。

雌雄2羽の白鷺が、時に羽根を寄せあい、また時に相対峙して優雅な舞を披露します。
津和野の夏の風物詩として、毎年多くの観光客を集めています。


~吉賀町~
1,000メートル級の山々が嶺を連ね、面積の90%が山林を占めています。
町内をほぼ南北に一級河川・高津川が貫流している、水と緑に囲まれた農山村地域です。

●清流・高津川
国土交通省の水質調査で、何度も清流・日本一に輝いており、
支流を含めダムが一切ないという大変貴重な川です。
「高津川」の水は島根県吉賀町を水源とし、津和野町、益田市を経由して日本海へと注がれます。


この清流で獲れる「鮎」は人気が高く、名産品になっています。

●自然とともに生きる
日本の棚田百選に認定された大井谷の棚田は、
室町時代から藩政時代に築かれたもので、古いものでは約600年の歴史があります。
山の斜面を等高線状に開墾された棚田が織り成す景観は、農村の原風景としての感動を与えます。

平成の名水百選である一本杉の湧水やコウヤマキの自生林など
豊かな自然がいつも身近にあるエリアです。


【鹿足郡の特産品とは】

【源氏巻き】

こしあんをしっとりカステラ生地で巻いた、津和野のお土産を代表する銘菓です。
由来は諸説ありますが、津和野藩の家老が藩主を救うために吉良上野介に送ったのが
起源だと言われています。

あんことカステラ生地のしっとりとした甘さは"山陰の小京都"と呼ばれるにふさわしい
上品な味で、お土産として大人気です。


【青山窯】

亀井城主のお庭焼といわれる「綾焼」は、
津和野の自然素材で作られた釉薬を使用しています。

鉄分を多く含んだ土を使用し、釉薬は津和野で採れた木の灰とワラの灰に長石を調合しています。
藁や木の灰でしか出せない錆浅葱(さびあさぎ)のような鈍い緑こそが綾焼きの特徴です。

くすんで淡い色調の錆浅葱は、絵画の世界でビリジアングリーンと呼び、
多くの巨匠が使用した人気の色で、出すのが難しい色と言われています。

深い緑と乳白色が混じり合い、思わず吸い込まれてしまいそうな色合いです。

【しいたけ】

山間地で朝霧が出やすい湿度の高い津和野は、しいたけの栽培に適しています。
自然の森のなかで、森の養分だけでゆっくりと時間をかけて育ったしいたけは、
濃い味と香りが特徴です。

【猪肉】
山地が多いため狩猟はとても身近で、おいしい猪肉が手に入ります。
中国山地の照葉樹林の中で育った猪は、野趣あふれると言うより、実は上品な味。
脂身には餌であるドングリ由来のオレイン酸や善玉コレステロールを多く含み、
臭みやクセが無く、特に「しし鍋」「しゃぶしゃぶ」は絶品です。

【津和野メロン】
昼と夜の寒暖差がある津和野は、糖度の高い甘くて瑞々しい美味しいメロンができます。
1本の株から一番良い実だけを残し摘果しているため、栄養たっぷりで大玉です。


津和野メロンパークでは、<子供が親になっても食べに来るメロン>作りを掲げ、
ミツバチ受粉や有機のぼかし肥料を使いメロン特有の“いがらっぽさ”のない、
甘くて、まろやかなメロンに仕上げているのが特徴です。
「子供の時に食べた味が忘れられない」と、ファンが絶えません。

【わさび】

日本有数の清流、高津川水系の源流域でわさびが育てられています。
苗を植えてから出荷まで1年半~2年かかります。
中国山地の厳しい冬を乗り越え、長い期間をかけて育ったわさびは、
ツーンッとした辛みのなかに、清らかで爽やかな風味と、
ほんのり甘い感覚が鼻孔をくすぐります。
お刺身の薬味はもちろん、焼き肉の薬味としても絶品です。



【はちみつ】
90%以上を森林が占める地域のため、野山に自然に生える花々から蜜が採取できます。
季節によって採取できる花がちがうため、津和野独自のはちみつができあがります。
はちみつはカロリーが砂糖より低く栄養価が高いので、
普段のお料理に砂糖の代わりとして使えます
津和野でははちみつ焼酎にしたり、お米を炊く時に大さじ1杯のはちみつを入れるんだそうです。


まとめ

清流が流れる津和野町や吉賀町は、寒暖差が激しく自然が厳しい土地です。
その環境で育った食べ物は、甘みや旨味が凝縮されており、
一度口にしてしまったら沼から抜け出せなくなるかもしれません!
ぜひご賞味ください。