仁多郡

前置き

【仁多郡とは】

仁多郡は仁多町と横田町がありましたが、2005年に2町が合併し奥出雲町となりました。
島根県の東部に位置し、鳥取県と広島県が接しています。
日本海側の出雲市や松江市からは車で約1時間、瀬戸内側の広島市からは約2時間の場所です。

●たたら製鉄
「たたら」は古来より続く日本の製鉄技術で、良質な砂鉄がとれ、鉄の塊(鉧・けら)を作るのに
適した環境でした。
鉧の中で、一級品とされる部位の「玉鋼(たまはがね)」は、日本刀をつくるのに使われ、
仁多郡では盛んに製鉄が行われました。
「奥出雲たたらと刀剣館」では、製鉄の様子や材料や道具などの資料を公開しています。

●仁多米
たたら製鉄により伐採や山が掘削されました、その跡地を荒廃させることなく
棚田として活用してできたのが「仁多米」です。
全国棚田百景に選ばれた奥出雲の棚田は非常に美しく、見る人を圧倒させています。

●神話のルーツ
奥出雲の山は船通山、鯛ノ巣山、玉峰山、吾妻山、三郡山、、登山客にも人気ですが、
ずれも『古事記』や『出雲風土記』に記されている山です。

また、船通山はスサノオノミコトが降り立ったといわれる伝説の地です。

船通山から宍道湖へ流れる斐伊川は神話「ヤマタノオロチ」の舞台で、奥出雲は神話のルーツとして
ロマンを秘めているエリアです。




【仁多郡の特産品】

【仁多米】
仁多郡は豊富な森林に覆われ、雪解けの花崗岩から湧き出る
ミネラルたっぷりの岩清水で育ったお米です。
標高300~500mにあり、昼の気温が高く夜の気温が低いこともお米の旨味が増している理由です。
仁多米は県内外でも人気が高く、ふっくらとつややかでしかもねばりのあるおいしいご飯が炊けます。


【奥出雲そば】

寒暖の差があることで甘みが増すと言われている蕎麦。
仁多郡は標高が高いため味が濃く、おいしい蕎麦が育ちます。

「在来種そば」は、全国のそば通たちの間でも人気で、
毎年新そばの時期になると、多くの観光客が蕎麦を求め仁多郡にやってきます。
味の濃さも香りの強さも格別で、一度食べれば忘れられない味です。


【奥出雲和牛】
奥出雲地方で生まれ、そのまま奥出雲地方で育てられた黒毛和牛を「奥出雲和牛」と呼びます。
赤身の味わいが濃く、非常に人気が高いのですが、
生産量が追いつかず「幻の黒毛和牛」と呼ばれています。

奥出雲の緑に囲まれた静かな自然の中、大切に飼育されている黒毛和牛たちは、穏やかな性格で
ストレスが少ない環境で育っています。
手間ひまをかけて丁寧に飼育された黒毛和牛は、
きめ細やかな霜降り肉、深いコクと風味豊かな味わいが特徴です。

【奥出雲舞茸】

厳選された広葉樹のおが粉と、地元のわき水「延命(えんめい)水」などで作った培地に菌を植え付け、
収穫まで約2カ月半をかけてじっくりと育てられます。
温度や湿度を自然に近い環境に保つことで、
シャキシャキとした食感と、ふくよかな旨味が生まれます。
香りが豊かで、鍋物やお吸い物・みそ汁・炊き込みご飯・天ぷらなど、どんな料理でも美味しく食べられます。

【井上醤油店】
江戸時代から受け継いだ「古式製法」を守り続けている井上醤油店です。
1867(慶応3)年の創業以来、独自に編み出した「古式製法」を守り続け、
国産丸大豆・小麦・塩だけを原料に、合成添加物を使用せず醤油が作られています

奥出雲の自然の風土にゆだねられ、じっくり時間をかけて製法された醤油は、
原料本来の旨味と芳醇な味わいが香る人気商品です。


まとめ
”神話のルーツ"と言われる仁多郡の奥出雲町は
豊かな自然と、じっくりと時間をかけてこだわりの製法で作られた
素材本来の味が楽しめる食べ物が揃っています。
奥出雲の美味しいものをひとたび口にすれば、
山あいの奥出雲に流れる、ゆったりとした時間を体感できるかもしれません。